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- フィリピンでの青年海外協力隊活動記録(2015-2017) -

良い計画をつくることよりも大切なこと

最近思うことがあったので、残しておきたくてブログを書く。

 

防災計画の作成をサポートしてほしいと言われてから、2か月。

この間、起きているときは、ほとんどいつも

”良い計画”をつくるために

何を、どのような手順で進めるべきか考えるとともに、

出来るだけ早く完成させようとばかり考えてきた。

 

ハザードデータと避難所の位置データを重ねて、

避難所の危険性を把握したり、

他自治体の計画も参考にしながら、計画に必要な情報は何か考えたり、

バランガイ(村)への調査も行きたいし、

インタビューもしなくちゃ・・と。

気づけば、ひとりで、焦って行動していたような気がする。

 

その上、同僚へ依頼した資料が早く提供されなかったら、

”これだからフィリピンは・・”と、思ってしまうのか。

・・ちょっとまて、と。

 

 

ある日本の研究者グループが、マニラ近隣で

地震対策の事業をサポートした記事を読んだ。

より強固な造りになるよう、建造物の建築方法の改善を

現地の建設現場の方々へ提案する内容だった。

プロジェクト終了後、研究者が状況の改善を確認するため

再度、対象地を訪れたところ、結局、元のやり方に戻されていた、という話。

 

どんなに良い提案であっても、

たとえそれがプロジェクト当時に理解され、評価されていたとしても、

現地の方々が、本当に必要だと考えなければ、地域に根付かない。

もしかしたら、必要と思われていたとしても、

根付かせるというのは、不可能なのかもしれない。

それだけ、難しいことなのだと思う。

 

計画の作成も同じ。

どんなに良い計画を作成しても、

本当に必要と思われていなければ、実行されない。

 

そのためには、良い計画をつくることではなく、

自分達のことだと真剣に考えてくれる当事者を増やすことや、

みんなで一緒に考えながら計画づくりを進めることの方が

はるかに大切だった。

 

 

高校1年時にはじめて途上国を訪問し、

住民さんの主体的な活動をサポートするNGOに惹かれ、

NGO職員になりたいと思ったこと。

大学のときに、住民参加型の観光開発について研究をしていたこと。

 

その時に学んだことや考えていた大切な価値観が、

現地に入って、何故かすっぽり抜けてしまっていた。

日本と同じ働き方・考え方に固執していたのかもしれない。

 

これでは、だめだ。

 

2か月目を目前に、方針転換。

題して、「みんなでつくる防災計画」プロジェクト!

 

防災計画をつくるためには、必要な情報があって、

最初はその情報がなぜ必要か、どう収集すればいいのか、

そして、それをどう毎年更新していけばいいのか、というところから提案し、

カウンターパートと話し合いながら、時間をかけて進めていきたい。