Gift It Next

- フィリピンでの青年海外協力隊活動記録(2015-2017) -

フィリピンでの家族のかたち

久しぶりに、ブログを更新。

おばあちゃんへの想いと、フィリピンの魅力を

いま、残しておきたいと思ったから。

 

私は18歳のときに大学へ行くため、

実家を離れて1人暮らしを始めた。

部活動やNGOでの活動、大学の研究などを理由に、

実家には、年末年始やお盆もほとんど帰らずにいた。

 

わたしが大学に上がる頃には、

うちのおばあちゃんは認知症を患っていた。

それなのに、忙しいことを言い訳に、ほとんど家に帰らなかった。

 

そしてある日、おばあちゃんが倒れたと連絡があった。

話せなくなる前にと、父が病院に連れて行ってくれたが、

そのときに見たおばあちゃんは、

もう私の知っていたおばあちゃんではなかった。

小さい頃にいつも遊んでくれて、

兄弟げんかのときにいつも私をかばってくれたおばあちゃんに、

私は、なにもできなかったんだなと、

帰りの車の中で涙をこらえたのを、今でもはっきりと覚えている。

 

わたしのホストファミリーのおばあちゃんが、

この前の日曜日に亡くなった。93歳だった。

私と、こちらのおばあちゃんが共に過ごした時間は

1年にも満たないけれど、

一緒にダンスをしたり、歌を披露して笑ってもらったり、

おでこをつきあわせたり、名前や髪についてほめてもらったり、

たくさんの思い出がある。

 

さいごまで、優しい気持ちで、

こちらのおばあちゃんと接することができたのは、

私の本当のおばあちゃんへの想いがあったからだと思う。

亡くなられたときには、とってもとっても寂しかったのだけど、

それよりも、ありがとうの気持ちが強かった。

 

 

フィリピンの魅力のひとつに、

家族をとっても大切にするというのが挙げられる。

最後の最後まで、同じ屋根の下で、一緒に過ごすことが

こちらのおばあちゃんにとって、

とても幸せなことだったんじゃないかなと思う。

93歳の、おばあちゃんの誕生日パーティでも、

家族って素敵だなと心から思った。

でも、家族だけでケアをとばかり考えてしまうと、

家族への負担が大きくなってしまう。

こちらのお宅では、ご飯や排便のお手伝いをする方が

家の中で一緒に生活をしていて、

その方のサポートがあったから、

家でのケアを続けられたのかもしれない。

 

家族を大切に想う気持ちと、

頼れるところは周りに頼ることの大切さを、

わたしは、この家で教えてもらった。

 

明日、おばあちゃんが家に戻ってくる。

そして、お家で毎晩お祈りをした後、来週末に教会でお別れ会、

そのあとに、お墓へ。

 

カレンダーを前に、「寂しい?」と私に訊ねたホストマザーの顔が

すごく寂しげだった。