協力隊員が現地語を習得すべき3つの理由
協力隊員として海外でお仕事をさせてもらう利点は、たくさんあるが、
そのひとつである、「現地語の習得」を今日のテーマにしたい。
協力隊員は、現地に根差して活動をすることが理想だと思っていて、
現地のコミュニティに入れていただき、
一緒に悩み考えながら、よりよい社会を共に構築していくこと。
それは、JICA職員や開発コンサルタントではできない、
「協力隊らしさ」、魅力なのではと思っている。
そんな協力隊員は、国によって日数は違えど、
現地語の訓練を受けることができる。
※残念ながら現在フィリピンでは、
JICA調整員さんによって「英語の習得」に力をいれさせる動きがある。
そこで、現地での隊員生活にとって特に重要なコミュニケーションツールである
現地語を、協力隊員が習得すべき3つの理由について書いてみたい。
①配属先の職員のひとりとして、また現地で生活するひとりとして共に活動するため
協力隊員の魅力は、生活を共にさせていただきながら
地域の魅力や課題を知り、解決策を現地の方とともに考えること。
共に生活をしていくには、現地の方が話す言葉を理解することや、
寄り添おうとする姿勢は、とても大切だと思う。
逆に、現地語が理解できないと、現地語で楽しそうに会話をしている職場で、
一人孤立してしまう危険もある。
②活動対象(社会的弱者)の方から直接お話を伺い、コミュニケーションをとるため
何かの情報を外に発信していくだけならば、英語だけでも良いかもしれないが、
それをするにも、まずは現地の状況を理解し、
社会的弱者の方々の話に耳を傾ける必要がある。
その際に必要になるのが、現地語でのコミュニケーションである。
協力隊員の活動の対象者は、必ずしも英語が話せる方ばかりではない。
本当に困っている方のために活動をしたい、その気持ちがあるならば、
現地語の必要性は、痛感すると思う。
以前、大学時代にインターンをさせていただいたNGOの尊敬する代表の方に、
「現地に根差し、現地の方とともに活動を進めるには、
現地で使われているマジョリティの言葉(フィリピンでいうタガログ語)だけでなく、
マイノリティの方の言葉(私の任地ではKinaray-a語)を習得しなければダメ!」
とご指導いただいたことがあった。
バランガイで街歩き&インタビューをさせていただいたときには、
「外国人」の顔をした私を見たバランガイ職員さんに、
「英語わかんねぇよ~」と、インタビューを拒まれたことがある。
「この子、現地語でいけるから!」と同僚が説得してくれインタビューができたとき、
現地語を学んできて良かったと改めて思った。
誰のための活動なのか、そのために何をすべきか、
どういう姿勢で任地と向き合うか、ということは常に考えていたいと思う。
③職場で飛び交う情報をキャッチするため
現地語で活動する理由の3つ目は、職場での会話をキャッチすることだ。
職場の同僚は、もちろん現地語で会話をする。
時々訪問してくるバランガイ(村)の職員さんや被災者の方も、
相談事があれば、現地語で同僚とやりとりをする。
次回のミーティングの議題や日程、トレーニングの内容なども、もちろん現地語だ。
「自分の活動に関係なければ聞かなくていい。」というスタンスでは
活動はうまくいかないと思う。
なぜなら、配属先のスタッフ(同僚)にも仕事があり、役割があり、
配属先では、たくさんのプロジェクトが並行して進められている。
まずは、職場でどんな会話がなされているのか、
どんなプロジェクトがどんな目的で進められているのかを理解することが大切だ。
どれも、自分から情報をキャッチしようとしなければ得られない情報である。
また、同僚間の会話や、バランガイ(村)の方との会話の中に、
自分の活動のヒントがたくさん転がっている。
色々書いたが、何を言いたいかというと、
現地語めっちゃ大切!現地語が分かるだけで、現地での生活がめっちゃ楽しい!
ということ。笑
市場の前を通りかかったとき、Jeepのなか、ショッピングのときなど、
たくさんの方が、現地語で話しかけてくれる。
バランガイ(村)に行けば、現地語を使うだけで感動してくれ、
距離の近い会話ができる。
「外国人」ではなく、「私」として接してくれている気がする。
協力隊員になったら、活動言語は、迷わず現地語を選んでほしい。
帰国後の進路で英語が必要だからとか考えてしまうような人は、
そもそも協力隊になんか参加しないでいただきたい、と思う。