Gift It Next

- フィリピンでの青年海外協力隊活動記録(2015-2017) -

赴任して明日で1か月、はじめての提案書

明日で、赴任して1か月になる。

 

私は、町役場の「災害危機軽減・管理事務所」で

「災害予防対策」を推進するボランティアをしにきた。

 

協力隊は、1つの職種と3つの要請(赴任先+プロジェクト)を希望できる。

もちろん、全員が希望通りにいくわけではない。

 

防災教育や防災啓発に関する要請がメインの

「防災・災害対策」という職種のなかに、たった2つだけ、

防災アセスや防災計画・ハザードマップ作成支援など

政策的な観点からアプローチできる要請があった。

そのひとつが、いま私が関わらせていただいているまち。 

 

この要請でなかったら、

私はここに来ることを決断していなかったと思う。

そして、この要請でなかったら、

私の会社は、「休職して参加すること」を許可していなかったかもしれない。

 

 

赴任先のスタッフは、

正職員が1人、臨時スタッフ(主に事務を担当)が2人の、

計3人体制。

 

正職員の方(カウンターパート)は、別の部署との兼務で、 

かなり忙しくされていて、ほとんど職場にいない。 

 

 

私は、この1か月間で、

・提供いただいた資料の確認

・現地踏査の結果確認

・フィリピンJOCV防災隊員の情報交換会(分科会)への参加

・情報交換会でのプレゼンの準備と実施

を進めてきたが、ひとつ大きな不安があった。

 

それは、カウンターパートの方と、

全くコミュニケーションが図れていなかったこと。

 

 

彼がほとんど職場にいないというのもあるけれど、

問題は、英語も現地語(Karay-a語)も十分ではない、私の語学力不足。

 

そこで、赴任して1週間が経った頃から、

事務所でひとり、以下の資料を作成してきた。

①提案書

 ・現地踏査の所見、災害予防計画作成フローと工程、受領資料など

②カウンターパートへの質問/依頼リスト

 ・町防災担当の役割や町の防災体制、情報発信手法等の質問

 ・GISデータや災害履歴データの依頼、各種防災meetingへの同行希望

③JOCV以前の私について

 ・JOCV前に担当してきた防災プロジェクトの内容

 ・なぜこの町役場に来たいと考えたか

 

 

そして本日。

約1週間ぶりにカウンターパートの方とお会いできたので、

資料を見せながら、

私のコンサル時代の防災プロジェクトについての話や、

防災予防計画の作成フローや工程イメージ、

そして、計画作成のためには、

町の防災対策や災害リスク等をもっと知りたいんだということを話した。

 

ずっとオフィスでパソコンに向かっているだけでは、

住民さんの置かれている状況が、ちっとも見えてこなかったから。

 

 

なんて言われるかな・・と、ドキドキしていたら、

・バランガイ(地域)に調査に出たかったら、同行する

・質問と依頼リスト(A4で4ページ)は、回答表をつくってわたす

・防災会議で、災害予防の新しい観点について提案できる時間を設ける

GISデータ(避難所、ハザード、住居等)は明日、提供する

と、とても嬉しい回答をいただいた。

 

午前中に、その話をしてから、

カウンターパートは出かけてしまい、

いつもの「無」な時間に戻ったのだけど(笑)

今わたしが何を考えているか、何をしたいと思っているのか、

お話できただけでも、すっきり。

 

 

12月末までを目標に、

町の防災対策に不足しているものが何か、改善策を含めて提案する。

そして、そのあとは、

描いた計画が行動につながるようなプロジェクトを

カウンターパートと一緒に考え、はじめられたら◎。

 

その作業はきっと、

「技師」という肩書でお仕事をさせていただいてきた私が、

自分自身を試す機会・向き合う機会でもある。

だからこそ、素直でありたいし、

足りないスキルも、別の何かで補えるよう努力できたらと思う。