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- フィリピンでの青年海外協力隊活動記録(2015-2017) -

任地でのホームスティ(7月14日~7月17日)

7月14日朝5:30にマニラ近郊の隊員用ドミトリーを出発し、

パナイ島・イロイロ空港ではじめて、

カウンターパート(以降、CP)の方とお会いした。

 

早口で、英語がとても流暢。

最初の印象は、「会話についていけるか不安・・」だった。

 

イロイロ空港から任地までは、車で約3時間半。

赴任先のバンに乗って、山をいくつも越えて、任地へ到着。

 

当日は、休むように言われたけれど、職場を見たいと要望したところ、

CPが車を用意してくれ、職場まで案内してくれた。

 

職場は、town hallとは別棟の、1階建ての小さな建物。

ドアを開けると、若い女の子(みな美人さん)が何人もいて、

なんて華やかな部署なのだろうと思った。

 

どうやら、専任は私のCPだけで、あとはパートさん?みたい。

当日はご挨拶だけして、ホームスティ先のお宅でゆっくりさせていただいた。

 

 

15日は、10時頃から、毎月実施されているという防災会議に参加。

関係機関や町の各部の部長さん、副町長さんで構成されている防災会議では、

次年度予算案と防災計画(案)について、

そして、先日発生した土砂災害の被害報告や今後の留意点が話されていた。

日本の同規模の自治体でも、

ここまでのレベルに達していないのでは?と、驚いた。

 

会議の最後に、コメントを求められたけれど、

現地語のキナラヤ語での議論が全く分からず、何も言えず。

 

私の席や資料を用意してくれていたこと、

そして話す機会をいただけたことが嬉しい。

私がやるべきことは、何よりも、現地語であるキナラヤ語の習得だと痛感した。

 

 

午後は、現場が見たい!と私がお願いしたことを受けて、

バランガイ(集落)を視察させていただいた。

 

私の任地は、海岸に並行して国道がはしっている。

河川は、大きな河川が2つ、小川が数本、海に向かって流れている。

2つの河川沿いに、でこぼこ道がとおっており、そこに集落が広がっている。

 

地域の特徴としては、大きく国道沿いの地域と山間部の2つに分けられる。

津波と高潮、洪水の危険性が比較的高い国道沿いの地域。

洪水、土砂災害の危険性が高い、山間部。

 

国道沿いの地域の家々はコンクリート造りが多く、新しい家が多い印象。

一方、山間部は、竹でできた家がほとんどで、雨風にかなり弱い印象。

孤立集落の可能性も高く、備蓄の推進が必要という気がした。

CPの方も、山間部が災害に対して脆弱である認識を持っているみたい。

 

その日は、事務所へ戻り、17時以降はホームスティ先で休んだ。

ホームスティ先では、日本語の辞書を持つ子ども達と、

タガログ語の指さし会話帳で交流。

 

 

16日は、午前中に、赴任後に住む家を探した。

赴任先まで徒歩5分のお宅にホームスティをさせていただけることに。

とても優しそうな、お母さん(オーナー)。

 

空いた時間は、日本で出力してきた

「National Disaster Risk Reduction and Management Plan (NDRRMP)2011-2028」

という国の防災計画(防災基本計画のアクションプラン版のようなもの?)を勉強。

 

午後は、アンティケ州の州都であるSan JoseのMDRRMオフィスを視察。

ハザードマップなどを見せていただいた。

 

夜は、野菜と魚が好きというお話をしていたからか、

ホームスティ先のお母さんが、野菜料理と焼き魚をしてくれた。

 

「いつでも、戻ってきなさい。料理の仕方を教えてあげる。

海に泳ぎに行こう。1か月が寂しい。」

お母さんの、そんな温かなコメントが、とても嬉しかった。

 

 

ここに来るまでは、時間にルーズな「フィリピンタイム」があって、

おやつ時間があって、人が職場に来なくて・・と失礼ながら思っていたけれど、

8時に職場に行けば全員いるし、CPはパソコンに向かって集中して仕事をしている。

この忙しい部署で、今のところ、私は“お荷物”なのだと思った。

 

 

本赴任まで残り1か月。

この地域の方々と、その財産(家、車など)をまもるために、

ちっぽけな私にできることは、何か。

どうやったら、CPの力になれるのか。

会社やNGO活動、安寧(京大学院ユニット)や再生塾(都市計画系の講習)

でいただいた経験から、何を還元できるか。

 

まずは、「進んでいる!」と思えたこの地域の、“課題”が何なのか、

現地語を学びながら、ゆっくりじっくり考えてみたいと思った。